2011年03月30日 所長ブログより

One of the most…

「東電が東大に金をばら撒いている!」大学教授の発言が話題に
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1552727&media_id=59

「芸術学部教授」を「大学教授」と略したあたりに、なんとなく誘導の匂いを感じる。
(以下引用)
同記事で純丘教授は、「なんと5億円! 寄付講座だけでも、これほどの大金が、東京電力から東京大学大学院の工学研究科にジャブジャブと流し込まれている。これは、東大の全86寄付講座の中でも、単独企業としてあまりに突出した金額」と語り、「テレビで口を開くなら、まず、東京電力から受け取った黒いカネを、全額、返してからにしろ」とも。

原文とコメントを見ると、pdf内にある寄附講座の寄付金総額をすべて足し合わせて「突出した5億円」を主張されている。

1年後でなく累積、なおかつ横の連携がさほどなさそうな別講座への寄付を足し合わせるのはどうかと思うが、敢えてこのスタイルで評価してみよう。

BNBパリバ:4億8000万(法学政治学研究科)+9000万(数理科学研究科)=5億7000万
ツムラ:8億1000万(医学系研究科)
第一三共:8億2000万÷17+3億+3.5億+1億7500万÷7(医学系研究科)+2億1500万÷10=7億4000万
ILSIジャパン:5億300万(農学系研究科)
アステラス:2億5000万(薬学系)+2億1000万÷7+8億2000万÷17+1億5000万÷2+9000万÷2+9000万>5億円

…それぞれの講座名もまとめようと思ったが、多すぎるので断念。ただ、東電の5億が「単一企業としてあまりに突出した金額」と言える状態ではないことは確か。

研究をするうえで、利益相反の問題は常につきまとう。まっとうな医学雑誌の原則は、「利益相反を全面禁止にするのではなく、開示すべき」との立場。仮に企業のファンドの研究を全面禁止したら、この世から薬はひとつもなくなる。

「利益相反の存在」を100%是認するわけではないし、100%禁止するわけでもない。紐付きの研究を見て、どのように評価するかは、研究を吟味する人に委ねられる。開示すらなかったら、吟味もしようがない…という趣旨である。

利益相反や寄附講座に対してどのような立場をとるかは、人それぞれだから、言及する立場にない。

むしろ疑問に感じる点は、データソースを提示していながら、そこに示されたデータと合致しない結論を主張していること。数字屋としては、やはり合点のいかない部分。

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