2011年05月09日 所長ブログより

水道水リターンズ

「どうにもカタギにはわかりづらい」という講評があったので、若干書き換えてみました。
(以下、R氏ヘのメールから)

1. 水道水内の放射線レベルが基準を超えたのは、3/15の1日だけ。現在は、「基準値以下」でなく、そもそも「非検出」の状態。
 言ってみれば、ふだん全くたばこや酒をやらない人が、たまたま3/15だけ煙草を吸って、お酒を飲んだ。
翌日からはやってない。なのに、「たばこやお酒を続けると病気になるんじゃ」とか、不安にならなくてもよいでしょう。吸っても飲んでもいないし。
 別の例えをするならば、3/15にたまたま千円札を落としちゃった人が、「どうしよう!このまま毎日お金落としたら、破産しちゃう…」とか怯える必要はないよね。

2. 「でも、何が起こるか分からないじゃん」のために、メチャクチャ厳しい仮定を置く。
 3/15と同じレベルの放射性物質が、東京の全ての浄水場で検出され続ける。しかも、毎日1リットル水道水を飲む。そして、乳児→小児→少年となるにつれて放射線の影響は少なくなるけど、乳児(放射線によわい)の状態が長続きする。

3. 2の仮定のもとで、3年7ヶ月間水道水を飲んだ。すると、ちょうど1SV内部被曝の影響を受ける。
 乳児の水道水に関する研究で実証されているのは、小児甲状腺がんへの影響のみ。
 1SV「食らう」(つーか『飲む』)と、甲状腺がんの発症確率が「20000人に1人」から「6,400人に1人」に増える。
 さらに、甲状腺がんで死ぬ確率をかなり高めに見積もって9.7% (11人に1人)とすると、
 甲状腺がんで死ぬ確率が「20万人に1人」から「6万6千人に1人」に増える。
 
 ちょっと分かりづらいけど、別の計算をすると
 乳幼児10万人にミネラルウォーターを飲ませたとしても
 「水道水を飲んでたら、甲状腺がんにかかって死んでた。ミネラルウォーターのおかげで助かった」って人は1人しかいないってことね。
 なおかつこれは「2」の条件下。現状ではそもそも放射能が検出されてないから、上記の「おかげで助かった」人は1人も生じない。

他の原因で死ぬリスクと比較してみると(生涯リスク、米国のデータ)
http://www.squidoo.com/oddsdying#module9160831
自動車事故 1/87
建物の火災  1/1,500
熱波や寒波 1/5,000 -8,000
航空機事故 1/6,500
風呂でおぼれる 1/11,000
雷  1/50,000
鉄道事故 1/110,000
犬に噛まれる  1/120,000
隕石衝突  1/500,000

…どうでしょう?

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