2011年04月14日 所長ブログより

マッチポンプ

Linus先生の日記と相当被ってしまうけれど、ほぼ同意見なので、そのまま書こう。

「知識の欠如に基づく差別や偏見が広がることを専門家は懸念している。」

…場所や状況によって大きく異なる放射線の危険性について、
他のリスク因子と比べて無視できる範囲なのにもかかわらず「危険性はゼロではない」
「人体に深刻な影響をもたらす可能性もある(そらそうだ。タバコだろうが、ビールだろうが、賞味期限を1日すぎた弁当だろうが、排気ガスだろうが、可能性がゼロのリスクファクターは、そもそもリスクファクターではない)」と煽り立てる。

 まっとうなデータに基づいた意見に対しては、「両論併記」の似非平等主義を錦の御旗に、根拠の乏しい反論意見を持ってくる。挙げ句、「安全意見が1票・危険意見が10票」の多数決をはじめる。
 それでも旗色が悪くなったら、「政府や御用学者の発表は信用できない」「データは隠蔽されている」と論点をすり替える。
 これでは、「スカラー波白装束集団」「足の裏診断」「ホメオパシー」を嗤えまい。

 地震直後から綿々と続いてきたこの手の「情報」に触れてしまった子供に、偏見をするなと言う方が難しい。そもそも大人、さらにはごく一部とはいえ医療従事者ですら、根拠のない偏見をもとに交流を拒んだわけである。

「思いやりをもって接し、…」と注意喚起をするのもいい。だが、「だって、怖いじゃん放射能!」と子供に言われたときに、それを説明できる大人がいなければ、偏見が消えるはずがない。必要なのは道徳心でなく、わずかな科学知識。

「放射能怖い」避難児童に偏見
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=1569226&media_id=2

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