2011年03月12日 所長ブログより

原発「事象」ーこんな時こそ

報じられているとおり、格納容器の損傷が少ないのならば、原発からの距離と放射線量の判断になろう。

隠蔽とか、陰謀とか、対応遅れ批判とか、主張しても何の+にもならない。

まずは、距離を測る。
第一原発(福島県双葉郡大熊町)から東京(文京区本郷)までの距離は、220キロ。
報道されている「1015マイクロシーベルト」は、原発正門での測定値という。

googlemapで見たときのどのあたりが「正門」なのか判然としないが、原子炉からの距離を多めに見積もって1kmとしよう。
原発から浴びる放射線の量は、原発からの距離の2乗に反比例する。 (10キロ離れれば1/(10×10)=1/100) 正門と比べて、東京は220倍遠いので、放射線量は1/(220×220)=1/48400. およそ5万分の1に減衰する。

だから、原発正門で1015マイクロシーベルト (1時間あたり)が
観測されているとき、
東京では1015/50000=0.2マイクロシーベルト。
レントゲン撮影1回分が100~300マイクロシーベルトなので、1ヶ月近くこのレベルが続くとレントゲン1回分に等しくなる。これなら、無視できる範囲。

もちろん、放射性物質自体が拡散しているならば、単純な距離の議論はしづらくなる。
ただ繰り返しになるが、「格納容器の損傷」が軽微なのと、風向きを考え合わせれば、放射性物質そのものが大量に東京方面にやってくる可能性は「現状では」低いと判断した。

一年間に「浴びても問題ない」放射線量の限度は、1ミリシーベルト/年。1時間あたりに直すと、1÷365÷24×1000=0.114マイクロシーベルト/1時間である。
原発自体からの放射線のために、東京でこの基準以上の放射線が観測される場合には、原発正門では0.114×50000=5700マイクロシーベルト、すなわち5.7ミリシーベルト/1時間の数値が観測される「はず」。(距離その他は誤差あり)「1015」の約5倍。

風向きはこちら。
http://weather.yahoo.co.jp/weather/amedas/7/36611.html
更新頻度不明だが、放射線量の情報はこちら。
http://www.atom-moc.pref.fukushima.jp/dynamic/C0002-PC.html

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